
朝晩の冷え込みが強くなってくるこの季節。
気づけば肩をすくめ、背中を丸めたまま過ごしていませんか?
実はその「猫背」が、冷えを悪化させる原因のひとつだと知っていますか。
姿勢が血流を左右する
背中を丸める姿勢では、胸が圧迫され、呼吸が浅くなります。
呼吸が浅いと酸素の取り込みが減り、血液の循環も滞りがちに。
とくに肩甲骨まわりや腰の筋肉がこわばると、
末端への血流が下がり、手足の冷えが強くなります。
一方、背すじを伸ばすと胸郭が広がり、横隔膜がしっかり動くようになります。
それだけで呼吸が深くなり、体内の酸素循環と熱産生が高まるのです。
つまり「姿勢を正す」ことは、単に見た目を整えるだけでなく、
体温を保つための“内なる暖房スイッチ”でもあります。
猫背が招く「冷えのスパイラル」
寒さを感じると、私たちは無意識に肩をすくめて背中を丸めます。
それは身体を守る自然な反応ですが、長時間続くと問題が生まれます。
背中が丸まることで、背骨のまわりを走る自律神経が圧迫され、
体温をコントロールする働きが乱れやすくなるのです。
特に交感神経が過剰に働くと、末梢血管が収縮し、さらに冷えが進むという悪循環に。
冷えが筋肉を硬くし、その硬さが姿勢を崩す――
こうして「冷えと猫背」はお互いを強め合う関係にあります。
秋こそ「姿勢リセット」のベストシーズン
秋から冬へと向かうこの時期は、
気温差と乾燥、日照時間の減少で自律神経が揺らぎやすくなります。
そんなときこそ、姿勢を整えることが心と体のバランスを守る第一歩。
おすすめは、朝起きたときと夜寝る前に、
「両手を上に伸ばして深呼吸を3回」すること。
胸を開き、肩甲骨を少し寄せるだけでも血流が巡り、
身体の内側からじんわり温まっていくのを感じられるはずです。
冷えは外気だけでなく、姿勢からもやってくる。
背すじを伸ばして深呼吸。
それだけで、体の芯に小さな“ぬくもり”が戻ってきます。