
「呼吸って、肺がしてるんじゃないの?」
実はそう思っている人が多いんです。
でも本当の呼吸の主役は――胸の奥にある“横隔膜(おうかくまく)”。
この筋肉、想像以上にスゴイ働きをしているんです。
見えないけれど、毎日2万回動いてる!
横隔膜は、胸とお腹のあいだにあるドーム状の筋肉。
吸うときに下がり、吐くときに上がる――この動きによって肺がふくらみ、空気が出入りしています。
一日にその回数、なんと約2万回。
つまり横隔膜は、寝ているあいだもずっと働き続ける「24時間フル稼働の筋肉」なんです。
姿勢が悪いと、横隔膜はサボりやすい
猫背の姿勢になると、肋骨が内側に閉じて、横隔膜が動きにくくなります。
結果、呼吸が浅くなり、肩や首の筋肉が代わりに働いてしまう。
これが「呼吸すると肩が上がる」「首がこる」原因のひとつ。
反対に、背すじを伸ばして骨盤を立てると、
横隔膜がしっかり下がって、深く自然な呼吸ができるようになります。
つまり“姿勢を整える”ことは“呼吸を整える”ことでもあるのです。
横隔膜は、内臓もマッサージしている!
呼吸のたびに上下する横隔膜は、
すぐ下にある肝臓や胃、腸をやさしく押し引きしながら、
まるでポンプのように血液やリンパの流れを助けています。
だから「深呼吸するとお腹が温まる」「気持ちが落ち着く」というのは、
単なる気分ではなく、ちゃんとした身体反応なんです。
横隔膜が動けば、体幹が安定する
横隔膜は、腹横筋・多裂筋・骨盤底筋と連動して、
身体のコア(体幹)を支える重要なパーツでもあります。
深い呼吸ができると、自然に体幹が安定し、姿勢もまっすぐになる。
呼吸と体幹は、実は切っても切れない関係なんですね。
横隔膜を感じるエクササイズ
① 背すじを伸ばして座り、片手をお腹にあてる
② 鼻から4秒吸って、お腹をふくらませる
③ 口から6秒吐いて、お腹をへこませる
これを1日数回。
意識するだけで、横隔膜の動きがスムーズになり、呼吸も姿勢も変わります。
まとめ
横隔膜は「呼吸のための筋肉」ではなく、
「身体全体の調律者」。
姿勢・血流・内臓・自律神経――そのすべてに関わる、
まさに“縁の下のスーパーヒーロー”です。