集中できないのは「体のせい」?子どもの集中力と体の意外な関係


「うちの子、どうも集中力が続かなくて…」「宿題にすぐに飽きちゃう」

そう悩む保護者の方は多いのではないでしょうか。つい「やる気がない」とか「集中力がない子だ」と考えてしまいがちですが、実は、子どもの集中力の状態には、密接で意外な関係があるんです。

脳は体の司令塔ですが、その脳が最高のパフォーマンスを発揮するためには、体が健康であることが不可欠です。体の不調やアンバランスは、子どもの集中力を大きく低下させる原因となり得ます。

 

1. 脳と体の密接な関係:姿勢と集中力

長時間机に向かっているのに、すぐに体がぐにゃっとなっていませんか?実は、姿勢の悪さは集中力に直結します。

〇猫背や前かがみ: 姿勢が悪いと、呼吸が浅くなり、脳への酸素供給が減ってしまいます。酸素不足の脳は効率的に働けず、結果として集中力が低下します。また、首や肩への負担が増え、疲労感から集中が途切れやすくなります。

▶対策:

  • 正しい座り方を意識する: 椅子に深く腰掛け、足の裏をしっかり床につける。机の高さも調整し、肘が90度になる位置で手が置けるようにしましょう。

  • 適度な休憩とストレッチ: 30分~1時間に一度は立ち上がって体を伸ばしたり、首をゆっくり回したりする習慣をつけましょう。

2. 脳の燃料不足?食事と集中力

「お腹が空いた」時や「眠い」時に集中できないのは、大人も子どもも同じですよね。食事は脳の唯一のエネルギー源。何を食べ、どう食べるかが集中力を左右します。

〇糖質の摂りすぎ、タンパク質不足: お菓子やジュースなど、血糖値を急激に上げる糖質ばかり摂ると、その後の急降下で眠気やイライラを引き起こし、集中力が途切れます。脳の神経伝達物質の材料となるタンパク質が不足すると、情報処理能力が低下することも。

▶対策:

  • バランスの取れた食事: ご飯、パンなどの炭水化物、肉、魚、卵、豆などのタンパク質、野菜、果物などのビタミン・ミネラルをバランス良く摂ることが基本です。

  • 朝食を抜かない: 脳の活動に必要なエネルギーを補給するため、朝食は必ずしっかり摂りましょう。

  • DHAを意識的に摂る: 青魚(サバ、イワシなど)に多く含まれるDHAは、脳の神経細胞の機能を高め、記憶力や学習能力に良い影響を与えると言われています。

3. 睡眠不足が招く「脳のパフォーマンス低下」

「寝る子は育つ」と言われるように、子どもにとって睡眠は体の成長だけでなく、脳の成長と機能にとっても非常に重要です。

〇慢性的な睡眠不足: 睡眠中には、日中の情報が整理され、記憶として定着します。睡眠不足は、脳が情報を適切に処理できなくなり、記憶力や判断力、そして集中力の低下に直結します。

▶対策:

  • 規則正しい就寝・起床時間: 夏休み中でも、できるだけ毎日同じ時間に寝起きする習慣をつけましょう。

  • 寝る前のデジタルデトックス: 就寝前1~2時間はスマホやゲーム、テレビの使用を控えること。ブルーライトは睡眠を妨げます。

  • 寝室環境を整える: 静かで暗く、快適な室温を保つことで、質の良い睡眠を促しましょう。

 

4. 運動不足は「脳の刺激不足」

現代の子どもたちは、外で体を動かす機会が減り、運動不足になりがちです。しかし、体を動かすことは、脳を刺激し、集中力を高める上で非常に重要です。

〇運動不足による影響: 運動することで血流が良くなり、脳に酸素や栄養が豊富に送られます。また、体を動かすことで分泌される脳内物質(ドーパミンやセロトニンなど)は、学習意欲や集中力、精神的な安定に影響を与えます。

▶対策:

  • 毎日体を動かす習慣: 短時間でも良いので、毎日外で遊ぶ時間や運動する時間を作りましょう。鬼ごっこ、縄跳び、散歩、サイクリングなど、子どもが楽しめるものが一番です。

  • アクティブな休憩を取り入れる: 勉強や読書の合間に、ストレッチをしたり、少し歩いたりするなど、座りっぱなしを避ける工夫をしましょう。

まとめ:体と心を整えて集中力UP!

子どもの集中力は、精神的なものだけでなく、の状態と深く結びついています。姿勢、食事、睡眠、運動といった基本的な体のケアこそが、脳のパフォーマンスを最大限に引き出し、子どもの集中力を育む土台となります。

夏休みなどの長期休暇は、これらの生活習慣を見直し、親子で一緒に健康的な習慣を身につける絶好のチャンスです。体の状態を整えることで、子どもたちは自然と学びや遊びに集中できるようになり、充実した毎日を送れるようになるでしょう。

 

お子さんの「集中力がない」と感じたら、まずは「体の状態はどうか?」という視点から見直してみてはいかがでしょうか?

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